2013 11月| 夏目書房ブログ 古書古本美術品 販売 買取 神保町 ボヘミアンズ・ギルド

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ブログ 古書 古本 買取 神田神保町・池袋 : 夏目書房

デザイン*デザイン 田中一光

こんばんは♪

先日、有楽町の無印良品に立ち寄った際、他の店舗よりずいぶん広いんだなーと感じながら、ここで田中一光の展覧会をやっていたことを思い出しました。

1980年、消費社会へのアンチテーゼとして誕生した無印良品。
そんな無印良品の誕生から、アートディレクターを務めていたのがグラフィックデザイナーの田中一光です。

田中一光は、日本の琳派に影響を受けています。
その理由のひとつとして、琳派の作品は機能をもったもので、なおかつそこに美しさが加わっているということを挙げています。

 

それはまさに、シンプルな美しさを追求し機能性をも重視した「無印良品」のコンセプトと同じように思えます。
それゆえ、彼のデザインが「無印良品」というものを見事に表現したのではないでしょうか。

また無印良品有楽町店のとなりにあるロフトのロゴも、田中一光のデザイン。

 

誰もが知っている西友や、今はなき石丸電気のロゴマークも彼のデザインです。
シンプルでありながらも印象的なマークは、時が経っても古くささを感じさせません。

 


以前ご紹介したヤン・チヒョルト展(26日まで)の会場ギンザ・グラフィック・ギャラリーのロゴマークも。


イッセイ・ミヤケのブランドマークもいいですね。

 

ボヘミアンズ・ギルドには、田中一光の版画額もございます♪
こちらは西武の包装紙に似ていますね! 

もちろんこちらも田中一光デザインです。

関連書籍も多数ございますので、ご興味のある方はこちらへー♪

        ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

上田義彦プリント額入荷しました。

こんにちは。
今日は休日なのですが、もう夕方で途方に暮れています。
部屋の電気をつけました。
大西です。

今回は、ボヘミアンズ・ギルドに上田義彦プリント額が入荷したのでご紹介します。

上田義彦プリント額

Yoshihiko Ueda

デジタルプリント 限100 サイン 27.5×27.5 額62.5×47.5

上田義彦は、広告写真を中心に活躍しながらも写真作家として多数の作品を世に送り出している写真家です。
サントリーの烏龍茶の広告写真を撮っている人、といえば一度は皆写真を見たことがあるのではないでしょうか。他には無印良品とか。

でている女の子がみんなかわいいです。
烏龍茶のパッケージも個人的にすごく好きです。
ペットボトルのデザインは昔の方がよかったですよね。

上田義彦の写真には、独特な湿度があると思うのですが、前になにかの雑誌で読んだインタビューでは「今でもフィルムで撮っていて、デジタルは考えられない。フィルムが生産中止になったら自分で作る。」
といった主旨のことを語っており、なるほどなーと思いました。

細かい粒子のモヤっとした感じとかは、やはりフィルムならではですよね。
8×10の巨大なカメラを使用していて、子供が生まれた時、病院にカメラを肩から担いで行って写真を撮りまくり看護婦さんから苦い顔をされたそうです。ステキですね。

建築家のフランク・ロイド・ライトの建築物も撮ったりしています。

上田義彦写真集 フランク・ロイド・ライト falling water taliesin

上田義彦

2003年/エクスナレッジムック カバー 帯

最近だと、上田義彦の師匠であった有田泰而の写真集「First Born」を自らの手で再プリントしています。
http://p.tl/UotC (IMAより)
全然知らなかったんですが、当時の日本でこんな写真を撮っていた人がいたんですねー。びっくりしました。
有田泰而は、写真以外にも創作活動をしていたようで、ボヘミアンにも以前作品集がありました。

裸者の森

有田泰而

1988年/リブロポート カバー 帯 少背ヤケ

アーヴィング・ペンリチャード・アヴェドンと並び尊敬していたようです。

実物の作品をご覧になりたい方はぜひボヘミアンズ・ギルドへお越し下さい、お待ちしております。

上田義彦の他の写真集はこちらからご覧ください。

夏目書房では写真集は勿論、様々なジャンルの本を買取しています。
お売りいただける本などございましたら、是非ご連絡ください。
買取の詳細はこちらよりご覧ください。

JOHN CAGE 「フォンタナ・ミックス」

アメリカ実験音楽界の偉才ジョン・ケージの版画額が入荷しました!

ジョン・ケージが1958年に制作した電子音響音楽の傑作「Fontana Mix」図形や模様の描かれた透明なシートを重ね合わせた、図形楽譜を元に演奏されたこの作品。

ケージが提唱した概念「偶然性の音楽」により作り上げたこの図形楽譜は通常の五線譜では表現できない音を生み出し、彼の精神性や世界観を感じ取れる、まさに傑作であり代表作の一つです。

今回入荷したものはその「fontana mix」の楽譜の一部を作品化したものです。
まるで楽譜の一部とは思えず、一つの芸術作品として完成されていますが、どこかその額面からは目に見えない音たちが踊り、飛び回っているようにも感じます。

この作品はシルクスクリーンで製版されたものにフィルムが貼り付けられています。
ジョン・ケージ本人のサイン入りで、色はDark Grey、Light Greyの二種類があり、どちらも「fontana mix」の電子的でノイジーな空気感をよく表している作品になっています。

ジョン・ケージ版画額 「fontana mix Light Gray」
ジョン・ケージ版画額 「fontana mix Light Gray」
John Cage
1982年/シルクスクリーン アクリルプレート 限97 サイン 50×69 額60×79.5 ※電子音楽の代表作「fontana mix」の楽譜の一部

 ジョン・ケージ版画額 「fontana mix Light Gray」
ジョン・ケージ版画額 「fontana mix Dark Gray」
John Cage
1982年/シルクスクリーン アクリルプレート 限97 サイン 50×69 額60×79.5 ※電子音楽の代表作「fontana mix」の楽譜の一部

ジョン・ケージの「fontana mix」を聴きながら、その空間に飛び交うサウンドを自分の目で感じてみるのはいかがでしょうか?
実物の作品を見たい方はぜひボヘミアンズ・ギルドへお越し下さい、お待ちしております。

ジョン・ケージ関連の書籍も多数取り揃えていますので、興味のある方はぜひ。
ジョン・ケージ関連の本はコチラからどうぞ。
夏目書房では様々なジャンルの本を買取しています。
お売りいただける本などございましたら、是非ご連絡ください。

買い取りをご希望の方はコチラからどうぞ。

ジョン・ケージ John Cage

今回はジョン・ケージの商品がいくつか入荷しましたので、改めてご紹介します。

John Cage  (1912-1992)

ジョン・ケージことジョン・ミルトン・ケージ・ジュニアはフルクサスなど前衛芸術全体に影響を与えた実験音楽家です。
音楽家以外も詩人、思想家、はたまた、きのこ研究家など多くの顔を持っています。

それまでの音楽の定義を広げ、また音楽の破壊、解体を試みた人物でした。

中国の易などを用いて、投げた貨幣の音で作曲した『易の音楽』、曲の演奏時間である4分33秒の間、演奏者が全く楽器を弾かず、沈黙の中で生まれる周囲の音を曲とする『4分33秒』など、それまでの西洋音楽の価値観を覆す「偶然性の音楽」あるいは「不確定性の音楽」を創始しました。

また、彼はマックス・エルンスト、マース・カニンガム、バックミスター・フラーなど多くの芸術家たちと親交がありました。
彼らがお互いにどう影響しあい共鳴していったのか、作品から感じ取れるかもしれません。

ジョン・ケージ I-VI: The Charles Eliot Norton Lectures

ジョン・ケージ I-VI: The Charles Eliot Norton Lectures

John Cage

1990年/Harvard University Press 英語版 カバーヨレ、少切れ 見返しにテープ跡

ジョン・ケージ John Cage: Revue d'esthetique No.13-14-15

ジョン・ケージ John Cage: Revue d’esthetique No.13-14-15

1988年/Privat 仏語版 背折れ跡 スレ

ジョン・ケージのローリーホーリーオーバー サーカス

ジョン・ケージのローリーホーリーオーバー サーカス

John Cage

平7年/水戸芸術館現代美術センター カタログ抄訳集付

短い説明では、とても彼の全軌跡を語ることは出来ませんが、ジョン・ケージとは一体何なのか?という問いに、人によって、その時々によって、また状況や感情によって変化していく人物像もまた、彼の意図していた不確定性なのかもしれません。

一度、彼の世界にふれてみてはどうでしょうか?

ジョン・ケージとつながりの深いフルクサス関連の書籍も多数取り揃えておりますので、ぜひボヘミアンズ・ギルドにお越し下さい。
フルクサス関連の本はコチラからどうぞ

今回ご紹介したジョン・ケージ関係の本は勿論、夏目書房では音楽関係の本を高価買取中です。
買い取りをご希望の方はコチラからどうぞ

*ヤン・チヒョルト*タイポグラフィ❷

こんばんは♪
古本祭りが無事終了致しましたので前回に引き続き、タイポグラフィの書籍のご紹介をしていきたいと思います。

今回はヤン・チヒョルトの「書物と活字」を♪

 

ヤン・チヒョルトは1923年、21歳の頃にバウハウスの展覧会に訪れてからモダンデザイン主義に傾倒、積極的に活動をはじめます。
そして1928年に出版した「Die neue Typographie」によって、モダンデザイン主義の第一人者となります。
サンセリフ以外のフォントを否定し、アシンメトリーを推奨、左右対称のレイアウトを攻撃しました。

「Canons of page construction」ヤン・チヒョルトの推奨するページ分割の理想的比率

 

 

チヒョルトは1930~32年にかけて、「トランジット」「ゼウス」「サスキア」 の3つの書体をデザインしました。
しかし「ゼウス」は古典的な書体「アンシアル」と極めて近いということに気づかされます。
どんなに新しい試みで書体を創作しても、その根底は常に古典書体のデフォルメであるということをチヒョルトは自覚していきます。 

 


戦後しばらくはイギリスのペンギン・ブックス社でブックデザインの改善に務め、「the Penguin Composition Rules」として文字組のルールを作ります。監修したペーパーバックは500種類以上にも渡りました。

チヒョルトのデザイン改革について書かれたの書籍も出版されてます。

チヒョルトのデザイン改革について書かれたの書籍も出版されてます。

 

そして1952年、「書物と活字」を発表します。
この書籍は「Die neue Typographie」とは一転、伝統的な書体を全面的に擁護するものでした。

また個性的で目新しい書体を容赦なく批評したチヒョルトは、近代主義者たちの怒りを買い、バウハウス出身のマックス・ビルからは「過去を売った男」との烙印を押されました。
しかしチヒョルトは、そのような批判に対して“若気のいたり”との一言。

180度意見を変えながらも、恥ずかしがる様子を微塵も見せず堂々と今の自分の意見を主張する姿は、驚くと同時にカッコイイとさえ感じてしまいました。

「書物と活字」は美しい書体を多数紹介(冒頭写真参照)し、その利用法を提示した“書体の教科書”であり、同時に書物としても美しいものです。
極度のこだわり屋のチヒョルトがだした本ですから、 そりゃあ細部まで手が抜かれてませんよね。脱帽!


そして何よりこの本で私が楽しんだのは、チヒョルトの批評でした。
手加減なしの評価ですが、的を射たチヒョルトのことばには、ユーモアのセンスさえ感じてしまいます。

 

タイポグラフィに興味がない方も、ご覧になってみては如何でしょうか♪
一見の価値ありますよ!

 

また夏目書房では、様々なジャンルの本・版画等を買取しています。
お売りいただけるものございましたら、是非ご連絡ください。

買取の詳細はこちらから。