2014 2月| 夏目書房ブログ 古書古本美術品 販売 買取 神保町 ボヘミアンズ・ギルド

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ブログ 古書 古本 買取 神田神保町・池袋 : 夏目書房

**豊子愷と竹久夢二**

先日入荷した書籍で、ちょっと気になるものがありました。
「中国の文人画家の近代 豊子愷の西洋美術受容と日本」という単行本です。

中国美術には滅法うといので、豊子愷という名前すら聞き覚えがなかったのですが
何気なくページをめくっていたら“竹久夢二”の文字が!

気になって前書き部分を読んでみると、

“日本で竹久夢二の作品に出会い、その「東洋的画趣」に感銘したことが、抒情漫画豊子愷誕生のきっかけになった、とよく指摘される。”

と書いてあるではないですか!

夢二の影響、というと“夢二式美人画”の流れを汲む中原淳一や蕗谷虹児などの抒情画家しか思い浮かばなかったのですが、
初期の頃の夢二は、社会主義の新聞に諷刺画などのコマ絵を数多く描いているので、こうした作品に影響を受けた画家がいてもおかしくないですよね。
盲点でした。
豊子愷は、市民の日常を描いた作品に影響を受けたようです。

豊子愷はこの「クラスメート」という作品を目にしたとき、社会の不平等と人生の悲哀を感じたと言います。
その衝撃は深く、十数年後でさえも、この絵の細部まで記憶に留めていました。
中国という国の状況ゆえに、この絵から格差社会、不平等というものをより深く感じとることが出来たのではないでしょうか。

豊子愷も、同じテーマの絵をいくつも描いています。

この絵を見たとき、食生活の違いで体格に差がついてしまった二人、なのかと思ったのですが
実はそうではなく、 経済的な理由で適正年齢で学校に行けない子どもたちがいるということを表したものでした。


このように、夢二の多大なる影響を受けた豊子愷ですが、皮肉なことに彼は夢二の美人画を見たことがなかったようです。

こういうかたちで夢二の影響を受けた画家がいたということをはじめて知り、まさに目から鱗な思いでした。

竹久夢二の書籍等はこちらからどうぞ!

夏目書房では、様々なジャンルの本・版画等を買取しています。
お売りいただけるものございましたら、是非ご連絡ください。

買取の詳細はこちらから。

ユルゲン・テラー オリジナル・プリント額「annie morton」あります。

まだまだ寒いですね。
大学のころ外より部屋の方が寒い家に住んでいました。
あれはなんだったんでしょうか。
大西です。

今回ご紹介するのは、ファッションを中心に活動する写真家、ユルゲン・テラーです。
ヨーガン・テラーっていう表記もあるんですが、どっちなんでしょうね。
どちらでもいいんでしょう。ボヘミアンではユルゲンです。

ユルゲン・テラー オリジナル・プリント額「annie morton」

Juergen Teller

Cプリント A.P.版 サイン 29×19.5 額46.5×36.5

女優のアリシア・モートンです。

「パシャッ」って感じのやわらかいフラッシュがいいです。

ハーモニー・コリンも「パシャッ」されてます。

テリー・リチャードソンのフラッシュは「バシャッ」。

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マーク・ジェイコブスの広告を10年以上に渡って撮っています。(が、最近やめました。なんか今季のモデルが嫌だったみたいですね。)

ユルゲン・テラー(Juergen Teller 1964-)はドイツは北部の町エアランゲン出身で、家族や親戚はみんなヴァイオリンやギターなど楽器をつくる職人だったそうです。
彼もまた、家業を継ぐべく弟子入りしたのですが、楽器に使われる素材によってアレルギー反応が出てしまい断念。
そこから写真家への道が始まります。

ニック・ナイト最近はカニエ・ウェストのPVの監督とかもしちゃってます、、!
にみせたポートフォリオをきっかけに、「i-D」や「Vogue」からコム・デ・ギャルソンの広告まで、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、写真家としての独自の立ち位置を固めていきました。

ヘルムート・ニュートンが好きみたいです。なんか意外です。

ユルゲン・テラーの写真は、華やかな広告写真でもどことなくジトッとしてる感じが好きです。
これがドイツの湿度なんでしょうか。
つくりこみすぎない感じもいいですよねー。

写真集は、ボヘミアンにもちょくちょく入ってくるのですが、基本的にすぐ売れちゃいます。
あれも、これも、あれも、これも、、、。

ユルゲン・テラー写真集 Juergen Teller

Juergen Teller

1996年/Taschen 英語版 カバー

ユルゲン・テラー写真集 Marchenstuberl

Juergen Teller

2002年/Steidel 独語版

ユルゲン・テラー写真集 Juergen Teller: The Master

Juergen Teller

2005年/Steidl 英語版

売れました。

そんな中、、、ありました!

ユルゲン・テラー写真集 Der verborgene Brecht. Ein Berliner Stadtrundgang

Michael Rutschky/Juergen Teller

1999年/Scalo Verlag 独語版

劇作家で詩人のベルトルト・ブレヒトに関して綴られた本で、ブレヒトが住んだベルリンの街並みをユルゲン・テラーが撮影しています。
ベルリンっていう街の名前、かなり好きです。
ブエノスアイレスに次いで好きです。
ちなみにブレヒトも夏目書房、扱っております。
今回ご紹介したプリント額は、神保町のボヘミアンズ・ギルドの2階にあるので、どうぞお気軽にご覧になってください。

すでにご存じかとは思いますが、ヤフーオークションにてボヘミアンズ・ギルド、版画や浮世絵などの美術品から初版本や署名本や限定本まで、多数出品しております。
毎週新しい商品が出品されますので、どうぞお見逃しのないようお願いします。→こちらからご覧になってください。

夏目書房では写真集は勿論、様々なジャンルの本を買取しています。
お売りいただける本などございましたら、是非ご連絡ください。

いわさきちひろと初山滋**

こんばんは♪

先日、ちひろ美術館で「ちひろと初山滋  −永遠のコドモ−  展」を見てきました。

いわさきちひろは子どもの頃、児童雑誌「コドモノクニ」の初山滋の絵に憧れていたそうです。

初山滋

いわさきちひろ

アンデルセン童話や教科書の表紙など、二人の作品には共通点の多く、楽しめる展示になっていました。

** にんぎょひめ **

初山滋

いわさきちひろ

** おやゆびひめ **

初山滋

いわさきちひろ

このおやゆびひめ、思わず抱きしめたくなる可愛さ・・・!
チューリップの中にいるのに、手にお花を持ってるなんて
どんな小さなお花なのかしら☆

** 教科書の表紙 **

「小学新国語4年上」表紙(光村図書出版)

「小学国語5年上」(光村図書出版)

小学校の教科書って中学高校と違って、絵が描かれていたなあと思い出しました。

こんな素敵な絵が描かれてても、(自分も含め)子どもの頃は教科書の表紙をまじまじと見ることなんて殆んどないと思います。ああ、もったいない…!
でも、きちんと覚えていなくても、毎日こういう絵に触れているということが大切なのかもしれませんね。

初山きのこ、斜め後ろから。

なかでも気になったのが、初山滋の“きのこ”。

顔の描かれたきのこって多いですけど、初山滋のは人っぽい。
傘の部分よりも柄に目鼻を描いているものが多いですが、初山きのこは柄の部分を一部膨らませて顔にしてるんですね♪
外国のきのこのイメージってこんな感じです。

いわさきちひろも初山滋も、どちらも夢があって優しい気持ちになれること間違いナシ♪

そんな初山滋の書籍はこちらから


いわさきちひろの書籍は少ないですが、ちょっと面白いのがあります。
写真と絵のコラボレーション!