2017 4月| 夏目書房ブログ 古書古本美術品 販売 買取 神保町 ボヘミアンズ・ギルド

2

ブログ 古書 古本 買取 神田神保町・池袋 : 夏目書房

『パロディ、二重の声 日本の一九七〇年代前後左右』展の図録が素晴らしい。

東京ステーションギャラリーで開催中の「パロディ、二重の声 日本の一九七〇年代前後左右」展を観てまいりました。

パロディ、二重の声

横尾忠則「POPでTOPを!」1964頃

オリンピック・ポスター 1964

東京オリンピック・ポスター 1964

手前からピカソ、ルオー、ビュッフェ、リキテンシュタイン、スーラとのことですが、元ネタをよくよく見ると6人目がいちばん奥に顔のみ写っており、横尾さんのポスターにも6人目の顔が描かれているのですが、誰のパロディかよくわかりません。誰でしょう?


会場は撮影可能な部分がたくさんありましたので、一部ですが写真でお楽しみください。

パロディ、二重の声

タイガー立石(立石大河亞)「八紘―宇の富士の山」1964/2016

IMG_0109

ネオダダの中心人物であった吉村益信「豚;PigLib」1994

パロディ、二重の声

原榮三郎「秋山祐徳太子 ポップ・ハプニング『ダリコ』」1970

パロディ、二重の声

雑誌「ビックリハウス」「ビックリハウスSUPER」「SUPER ART」「Super Art GOCOO」壮観です。

パロディ、二重の声

ところどころ立看が置かれています。(ピンボケ失礼)

パロディ、二重の声

このへんの駅貼りポスターは記憶にあります。

パロディ、二重の声

倉俣史朗「Homage to Mondrian #1」1975/Cappellini 2009 モンドリアンモチーフのキャビネット 。

パロディ、二重の声

青島さん!都政が大変なことになっています。いまこそユーモアが必要です!


パロディ、二重の声

長谷邦夫「パロディ・コミック盗作版 色ゲバ」

パロディ、二重の声
左から「バカ式」「アホ式」「マヌケ式」。マイコレクションに加えたい、最高なシリーズです。

IMG_0146

これらの展示はとても充実したものでしたが、私がいちばん押したいのはこの展覧会の図録です。

「パロディ、二重の声」展図録

革装のようなゴージャスな黒光りする表紙に金の型押しタイトル。ハードカバーではあるのですが、ページが手になじむやわらかい紙のため、図録にありがちのすぐにバイーンと閉じてしまうようなことはありません。それがとてつもなく嬉しい。

DSC03287

内容も作品の一つ一つが丁寧に大きく掲載されていて、会場で見落としていた細かい部分まで良く見ることができるのです。むしろ会場より落ち着いて見られる分、見やすいくらいなのです。ページの真ん中に小さく小さく図版が印刷されたような勿体ぶった感じは全然なくて、とても好感がもてるのです。謙虚さとサービス精神をひしひし感じます。

「パロディ、二重の声」展図録

「パロディ、二重の声」展図録

絶対読まない長い論文もなく、解説も適量です。図録自体も女性にやさしい軽量です。

「パロディ、二重の声」展図録

さらに、製本時に人による手作業が必要になるため、最近はついていないことが多い「しおりひも(正式名スピン)」までついています。図録にひもがついてるなんてありそうでなかったと思いますが、いかかでしょう。図録を作った人たちの愛と心配りが随所に感じられるのです。

「パロディ、二重の声」展図録

「パロディ、二重の声」展図録

後半にはパロディ裁判についてくわしく掲載されています。自分の考えを書くことができるメモ欄にかなりのページが割かれています。そこがいい!世の中には無駄なことなどないということでしょう。また、追加で萩原朔美さんと清水義範さんのインタビューも2本掲載され、立看のことばもすべて収録されてたったの2000円ポッキリ!書店に流通する書籍では実現不可能な低価格!(一般の書店では販売しないという条件で、作品の図版の使用料が安く設定されているため)。お得としか言えない!おもわず5冊くらい買いたくなってしまいます。図録は売り切れてしまったら再版などはほとんど期待できません。一期一会なのです。売り切れたら最後、内容の良い図録は古書価格が高騰してしまいます。この図録は展覧会を観ずに買うことができません(ミュージアムショップのみへの入場が不可のため。通販は可能。)。是非会場へ足をお運び下さい!あ、図録買ったらレジでポスターももらえました。


パロディ、二重の声 ――日本の一九七〇年代前後左右

会期:2017年2月18日(土)―4月16日(日)

【休館日】
3月20日をのぞく月曜日、3月21日
【開館時間】
10:00 - 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで
【入館料】
一般900(800)円 高校・大学生700(600)円 中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料)
【主催】
東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団)
【特別協力】
Special Cooperation with Cappellini Point Tokyo_Team Iwakiri Products

**京都・一条妖怪ストリートに行ってきました**

こんにちは!

桜の季節ですね、みなさまお花見の予定はございますか?

私は先日、つぼみの桜が広がる京都に行ってまいりました。

夏目書房で働いていた大西君が現在京都在住なので、
いろいろと面白い所に連れて行ってもらいました。

そのなかでも、特に楽しかったのが百鬼夜行の通り道として知られる大将軍商店街。
またの名を妖怪ストリート。

風に棚引くかっこいい旗に心が躍ります。

入ってすぐに妖怪がいるのかと思いきや、すぐには見つからず。

ふとお店の中を覗くと……

お茶を運ぶぬらりひょんと、急須顔のカラス天狗が
ひかえめに並んでいました。
目を凝らしていないと見逃してしまいますね。
見つける楽しさ再確認です☆

ストリート進んで行くと、続々と妖怪たちが!

すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
お店で売っているものが妖怪になっているんです!

これこそが付喪神!心がほんわか、あたたかい気持ちになりました**

「飛び出しぼうや」ならぬ飛び出し妖怪たちも各所に。
三番目の子は何の妖怪なのでしょう。
妖怪ラーメンがあるお食事処の前なので、ニンニク?
口のかたちは扇のようなイチョウのような。

片足靴で、片足草履というのも個性的でイカシテいますね。

ストリートのなかでも、いちばん目を引いたのが「京都魚苑」のこの子。

お店の入口中央には、巨大なおさかなくんがおり、下には金魚ちゃんも。↓↓↓
にもかかわらず、こちらの妖怪は魚ではなく、どこかの国の中年女性風恐竜。
しかも妙に似合っています。

もう一人の妖怪も、やはり魚ではなくうさぎ豚。
どういう経緯でこのお店にきたのでしょうか。謎は深まります。

余談ではございますが、
この子に似たおじさんがでてくる漫画があったのですが、思い出せずに悔しいです。
分かる方はボヘミアンズ・ギルドにご一報頂けますでしょうか。

このように、とっても楽しいすてきな商店街でした。
夏には妖怪仮装行列が開催されるようなので、
随時ホームページをチェックしていきたいと思います。

妖怪関連書籍はこちら

百鬼夜行関連書籍はこちら

妖怪ストリートに興味を持たれた方には、こちらの書籍をおすすめいたします☆