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「カンタと刺子―ベンガル地方と東北地方の針仕事」展を観ました。

カンタと刺子―ベンガル地方と東北地方の針仕事

「カンタと刺子―ベンガル地方と東北地方の針仕事」 2014年9月9日(火)-11月24日(月・祝) 日本民藝館

もうすぐ終了してしまう、『カンタと刺子』展を観て来ました。

「カンタ」とは旧ベンガル地方(現在のインド西ベンガル州とバングラデシュ)で作られた刺子をいいます。着古した木綿の古いサリーや男性の腰巻を4-5枚重ね、基本は藍で染めた青糸と茜で染めた赤糸で絵模様を刺繍し、模様の周りの余白部分は、白糸で細かく刺し埋められます。
「刺子」とは表裏2枚の布を重ねて刺し縫いをしたもので、本来は衣類の傷んだ個所をつくろい、補強して保温効果を高め、長もちさせるための技法であり、木綿生産に適しない東北各地、あるいは交通不便な山間地、労働条件のきびしい漁村などで、さかんに行われたものです。(チラシより)

カンタはとてもカラフルで、ゆるいきめ事はあるものの、基本的に家々の母親の手仕事によるオリジナルでユーモラスな一点ものです。
婚礼や儀式のときに床に敷かれ、花嫁や花婿、参列者がそのまわりを囲んで愛でる、というもののようです。
※中央に蓮の花、四隅にペーズリー柄を入れ、生命の樹や花、魚、馬、象、虎、孔雀、蛇などの動植物をはじめ、はさみ、神様を載せる山車、ハサミ、ナッツカッターなど生活にまつわる品々など、モチーフは多岐にわたる。

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カンタ 儀式用布(部分) 19世紀後半 旧ベンガル地方

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カンタ 婚礼用敷布(部分) 19世紀後半 旧ベンガル地方

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上・あくと掛け / 下・子供用足袋 共に昭和初期 山形県庄内地方

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こぎん衣裳 明治時代 青森県津軽地方

日本の刺子とはずいぶん印象の違うものですが、共通する点は、普通の女性たちが古布を再利用し、家族を想いながら一針一針を膨大な時間をかけて縫い上げたということ。

ともに厳しい生活の中、楽しみながら作っていた様子が想像できて、
お金でなんでも買えてしまう現代生活が恨めしいです。

この他にもたくさんの作品が展示されており、平日でもたくさんの来場者がいらっしゃいました。
是非直接肉眼で実物の迫力を味わっていただきたいです。

特別展「カンタと刺子 -ベンガル地方と東北地方の針仕事」   
開催期間:2014年9月9日(火)~11月24日(月・祝)
場所:
日本民藝館
住所:
目黒区駒場4-3-33
電話番号:
03-3467-4527
時間:
10:00~17:00(最終入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日休館(祝日の場合は開館し翌日休館)年末年始、臨時休館あり
入館料:大人1,100円
http://www.mingeikan.or.jp/


歳をとるにつれ残された時間を短いと感じ、こういった時間をかけた丁寧な仕事に泣くほど感動するようになります。熟した年齢の女性におすすめです。

あと、バス停などで知らない人に声をかけたくなってきます。不思議な現象です。
更年期障害でしょうか。

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(W)


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