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マッテオ・リッチ●記憶の宮殿

こんにちは。

今日入荷した、面白い本を紹介します。

マッテオ・リッチ 記憶の宮殿/ジョナサン・スペンス 古田島洋介訳

マッテオ・リッチ 記憶の宮殿

ジョナサン・スペンス 古田島洋介訳

1995年/平凡社 カバー 帯

16世紀のイエスズ会の宣教師、マッテオ・リッチ。

修業を積んで中国に渡り、キリスト教の布教に成功した偉人です。

様々の分野の学問を深いところで身につけている彼は、東西文化の架け橋ともなった人です。

たとえばクラヴィウス(ドイツの天文学者・数学者)から直にまなんだ

 幾何学、数学、天文学、地図製作法や時間と空間の観測法などなどを、リッチが中国に伝えたことが、技術の発展への貢献になっています。

「点、線、直角、対角、直線、平行線、三角形、相似形」などの、いま日常的に使われている幾何学の言葉は、

 リッチと、上海の科学者・徐光啓とが、ユークリッドを翻訳したときに創ったそうです。

そして。そんな中でもう一つ。
彼は、中国人に「記憶の宮殿」の建て方を教えました。
この本『マッテオ・リッチ 記憶の宮殿』は、その「記憶の宮殿」についてを中心として
興味深いリッチの生涯を照らし出して行くものになっています。
「記憶の宮殿」というのは、リッチの発明した記憶術で、
頭の中に建物を建て、具体的な部屋や家具をイメージして、
そこに記憶しておきたいことを定着させるという方法です。
マッテオ・リッチの膨大な知識量を預けた宮殿は、すごい大規模なものになっていると思いますが、
記憶したいものが少ないなら、宿泊所とか、小さい建物を建ててもいいよ、とのことです。
そういうお話でこの本は始まっています。
ちょっと読みすすめる時間が無いので掘り下げられませんが、
記憶法の教えどおり、具体的で鮮明なイメージで繰り広げられる宮殿の世界の記述は
想像をかきたてられてとても面白いです。
中国とヨーロッパの間を、旅しているように楽しみながら文化と歴史を知ることができるのも、いい一冊ですね。
ちょっと立ち読んでみるにも、ぜひご来店ください。
あと宮殿があまり想像つかなかったら、都市にしてもよさそうです。
記憶の池袋とかでも。何か記憶したいことがあったら、やってみたいですね。
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奥山