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魅惑のまつげ、中原淳一

中原淳一の描き出す少女たちの最大の魅力は“まつげ”である、と私は思います。

中原淳一 昭和12

中原淳一 昭和12

戦前に活躍したほとんどの抒情画家が、まつげをあまり重視していないのに対し、淳一の描く少女には非常に長いまつげが生えています。
特に、他の抒情画では皆無に等しい下まつげが、淳一の作品ではデビュー当時から重視されています。

蕗谷虹児 大正14

蕗谷虹児 大正14

松本かつぢ 昭和5

松本かつぢ 昭和5

中原淳一 デビュー当時 昭和8

中原淳一 デビュー当時 昭和8

下まぶたに垂直にまつげを描き、更に中央のまつげを微妙に長くすることで、視覚的に縦長効果を生み出しているのです。彼女たちは驚くほど長いまつげを持っているにも関わらず、細く無造作に生えているため素顔という印象を与えます。 そんな瞳でどこか彼方を見つめる少女。彼女たちから感じられるセンチメンタリズムは、まさに抒情画という名にふさわしいのではないでしょうか。

中原淳一 昭和14

中原淳一 昭和14

中原淳一 昭和11

中原淳一 昭和11

一方「ソレイユ」を筆頭にした、いわゆる中原淳一像は、お化粧をした濃く均等なまつげが主流になっています。

中原淳一 昭和34

中原淳一 昭和34

それは戦後の淳一が、少女ではなく女性を対象にした雑誌づくりに重点を置いていた故の変化を言えるでしょう。 そんな中、戦前のおもかげを残した少女たちに出会えるのは「ひまわり」だけ

「ひまわり」1947年、少女向けに創刊された 

「ひまわり」 1947年少女向けに創刊された雑誌

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